東日本大震災から2ヶ月の福島県いわき市
小名浜港
2011/5/9
写真・文ともpokkunさん
3.11東日本大震災から2ヶ月を前にした5月9日
pokkunさんが福島県いわき市小名浜港近くの様子をルポした
連休後の5月9日、福島県いわき市は昨夜の雨が上がり朝から晴れていた。夕方まで時間がとれるので、海辺を歩いてみる事にした。
小名浜港中心部から西側に位置する付近。港の東部と西部を結ぶ大きな通りだが、人通りはない。地震と津波で塀が傾き、所々ブロックが抜け落ちている。
歩道の平板は捲り上がり、車道に散乱している。この通りも走る車輌はない。
小名浜港の中心部に通じる通りの交差点。信号機は点灯していない。たまに通る車輌は徐行したり譲り合って通行している。
「アクアマリン福島」は休館し、復旧作業に取り掛かっている。
流された家財道具と乗り捨てられた乗用車が、被災から2ヶ月たった今でも道路脇に置かれたまま。
福島臨海鉄道小名浜駅構内では、コンテナや構内柱が倒れ、ゴミが散乱したままに。
ディーゼル機関車も脱線したままに。
所々で瓦礫の後片付けが始められている。
片側3車線もある大きな通りだが、時々通るのは災害派遣と復旧工事用車輌ばかりであった。
小名浜港第一埠頭魚市場。
津波で漁船が埠頭に打ち上げられていた。
こちらの漁船も。
漁船は海に浮いているもの。津波が作り出した当たり前でない光景。
磐城新橋で小名川を渡ると市営小名浜魚市場。魚市場の食堂の前も、流されたもので一杯になっていた。
ここでは、船の引き上げ作業が行われていた。
船首は埠頭に打ち上げられ
船尾は海に沈んでいる。この船は、今まで見てきた漁船よりかなり大きい船である。
津波が海から道路側に流れ抜けて、何もなくなった魚市場の中から見る船の引き上げ作業。
画面奥のトンネルは、小名浜から永崎海水浴場に通じている道。手前の漁協の直売所には今は海産物は何もないが、ここに所狭しと海産物が並べられる日がきっと来るはずだと信じている。
小名浜港トンネルを抜けて永崎地区に入る。
砂浜から海岸沿いの県道には、津波で流されたものが積み上げられていた。
県道15号線小名浜方面
約3mの防波堤を乗り越えた津波は、県道15号線を超えて山際まで押し寄せたという。
津波によって、幅10mほどが決壊した防波堤。
倒されたブロック塀
県道の両側は、瓦礫の山になったまま。
こどもの日以降も瓦礫の中で泳ぐこいのぼりが、復旧作業をする人々に元気を与えている。
およそ4時間をかけて歩いた小名浜から中崎地区。地図を見ると、歩いた距離は約6Kmから7Kmほど。湯本地区に戻り、有名なリゾート施設へ行ってみると・・・
3月11日の本震と4月11日の余震で2回の被害を受けた施設は当分の間休館している。映画で話題になったフラガールのお姉さん達は、数名が一班になり各地の避難所の慰問に回っているという。
夜になって空を見ると、震災後2回目の五日月が昇っていた。