「彩夏到来’08 埼玉総体」アーチェリー競技 団体決勝
2008年7月31日
はらっパーク宮代
大会最終日。
はらっパーク入り口の街路樹・百日紅に、いつの間にか真っ赤な花が咲いていた。
競技場の中は、今日も熱く燃えていた。
埼玉県勢で唯一団体決勝トーナメントに残った、大宮開成に期待が集まる。
決勝トーナメント1回戦、相手は高崎商大附属
大宮開成の得点は、思うように伸びない。
三本木農(青森)と戦っていた昨年の覇者・大分東明(大分)は210点という、大会新記録で勝ち進む。
決勝トーナメント1回戦で男子は8試合16チームのうち8チームが大会新をマークする、ハイレベルな戦いとなっていた。
草津東(滋賀)は大会新をマークしながら敗れた。
次の試合まで、リラックスさせるために競技場の傍らで、大の字。
広島工(広島)が莵道(京都)を相手にデッドヒートを展開している頃
女子団体で、波乱の兆しが出始めていた。
その主は、たった3人、監督を含めて4名で乗り込み、予選16位とぎりぎりで決勝トーナメントに残った佐伯(広島)。
何しろ明るいのである。負けてもともととの気持ちもどこかに。何しろ相手は予選1位通過の和歌山(和歌山)。
男子の予選1位の大村工(長崎)は、苦しみながらも何とか米谷工(宮城)を突き放していた。
宮代町にある日本工業大学で合宿を行ってきた日本工大駒場(東京)は札幌篠路(北海道)に隙を見せない。
歯車もかみ合ってがっちり。
そのとき、女子団体で波乱が起きていた。
なんと予選16位が予選1位を下したのである。それも、最終場面に1点差で。
決勝ラウンド1回戦で勝ち残れなかったチームは競技場を後にする。
競技場では準々決勝戦が始まった。
日本工大駒場(東京)の相手は広島工(広島)。
女子は大分東明(大分)が、予選2位通過で順当に勝ってきた甲南女(兵庫)と対戦する。
女子団体の中で、何かと目立ったのはこのチーム、諫早東(長崎)。
矢とり(点数を確認し矢を引き抜く)から帰ってくるときも全員で応援歌を歌いながら・・・。
その、応援リーダーが陰のこの二人。
交代要員の選手とマネージャー。
応援歌も一つだけでなく実に多彩。観客席もつい乗ってしまう、素晴らしい自作の応援歌?
その秘密は、このうちわ。
アップにしてみた。
うちわに歌詞が書かれている。
矢とりの途中で、応援歌を要求する選手。
完全に相手はテンポを崩されてしまう。
一方、もう一つの爽やかチーム。
佐伯(広島)は、笑顔が絶えない。
ただ、リーダーはあえて引き締める。絶妙のバランス。
監督もめっぽう明るい。少ない人数、応援席も・・・、その中で、チームを鼓舞するためには・・、との思いもあるのだろう。
予選16位が9位の札幌啓北商(北海道)を破ってベスト4に駒を進めた。
順決勝戦から、競技方法が若干違ってくる。
対戦チームが交互に射るのである。
そのための計測装置をセットするが、あまりの暑さゆえか、計器が故障して動かない。
準決勝は甲南女(兵庫)対華陵(山口)。
華陵の2選手の額には「ヒエピタ」が。
甲南女(兵庫)は、余裕の表情。このペースはズッと変わらなかった。
こうした条件ながら華陵(山口)は大会新をマークするも204点をたたき出した甲南女(兵庫)に及ばなかった。
一方、快進撃を続けた佐伯(広島)もここまで。
諫早東(長崎)に屈し、決勝進出はならなかった
結局、佐伯(広島)は立て直せないまま3位決定戦で華陵(山口)にも破れメダルに届かなかった。
競技場の外を歩いていると、色々な姿に出会う。頂点に立つのは一つ。あとは、負けを経験するわけで、どんな負け方、受け止め方をするかである。
佐伯(広島)の健闘振りを記事にしようと、地元のプレスが、競技場を出たところで待っていた。
そのころ、競技場では甲南女(兵庫)が、地元から駆けつけた20名近くの応援団の声援を受けて、順調に得点を重ねていた。
ガッツポーズも・・・。
諫早東(長崎)の明るさは消えていないが、得点は伸びない。
冷静な甲南女(兵庫)
男子は高崎商大付(群馬)と大村工(長崎)が一進一退の戦いを行っていた。
先に決着がついたのは女子。
甲南女は14年ぶり3度目の優勝に輝いた
お互いに健闘を称えあい
監督に駆け寄ったところで、嬉しさの堰がきれた。
喜びに涙する甲南女(兵庫)に、持てる力を出し切ったと笑顔の諫早東(長崎)がなんとも対照的だった。
そのころ、男子も決着がつき。2点差で敗れた大村工(長崎)が、観客に応援の御礼を述べていた。
表彰式で高円宮賜杯を受ける初優勝の高崎商大付
重みを感じる大きな賜杯
榊原宮代町長からメダルを授与される大村工(長崎)
これで4日間にわたって行われた大会は無事に幕を閉じた。
ブルーの軍団が、すぐに、閉会式後の動きを開始する準備を進めていた。
この大会を成功させたのは、ブール-の軍団である。
選手のように優勝カップや負けた涙はないものの、流した汗は同じである。何にも代えがたい
限界を超え 飛びたつ君よ 永遠の風になれ
ありがとう。